木村崇人 木もれ陽プロジェクト

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木村崇人の 『地球と遊ぶ』 世界へようこそ!

様々なスタイルや素材で作品を発表する木村崇人さんの世界ですが、どの作品も常に『地球と遊ぶ』というコンセプトのもと制作されています。

しかし、なぜ地球だったのか、なぜ遊ばなくてはいけないのか…

『地球と遊ぶ』というコンセプトには、一体どんなメッセージがこめられているのでしょううか。


ここでは、木村さんの学生時代から現在に至るまでのコンセプトの移り変わりについてご説明します。

現在の作品については、作品スタイルが多岐に分かれるため、それぞれの作品ジャンルについて個別にご紹介いたします。

『見えないものを見る』
今日、メディアを賑わせているスローフードや食育の話題。

生産者の顔の見える商品が安心を呼び、人々は自分が食べているものは、どこでどうやって作られているか関心を寄せるようになりました。

しかし、木村さんが学部生だった当時は、まだ世間は食に対する危機感が少なく、狂牛病も鶏インフルエンザも話題にされていませんでした。

きっと、お店に並んでいるものが危険なものだと考える風潮が薄かったからでしょう。


その頃『見えないものを見る』をテーマに制作していましたが、ある時、自分が食べているものが、どこでどのように育てられ、どのように出荷され、食卓に上っているのか全く知らないで食べている事に気づきます。

これをきっかけに、様々な食をリサーチしました。

そして食を題材にした一連の作品 『牛』、『chicken』、『a plant』を発表したのです。

当時の作品は今と全く違う印象を受ける表現方法ですが、現在のテーマに通じる、見えない部分に目を向けることで、日常生活における視点を変えようという意図を持っていました。


『牛』(東京芸術大学内・学生会館)/1995年
『食』から『地球』へ
しかし、1996年から2年間、給費留学を受けてフランスで生活することがきっかけで題材が変わります。

なぜなら、木村が訪れたフランスの市場では、日本とは全く違った情景が広がっていたからです。

肉屋の軒先には、客が鶏の健康状態を見るために、羽やくちばし、足がついたままつり下がり、牛や羊などのぶら下がっている肉を見て、欲しい部位を指定して必要なだけ切ってもらっていたのです。

このような文化のある国では、それまで日本で発表してきた表現方法が受け入れてもらえない…

文化が違っていても一貫したテーマを伝えられる新しいテーマを捜さなくては、作品を見た人にコンセプトが伝わらない。

そう考えた木村は、世界中どこでも共通してテーマを伝えられる新しい題材を考えていたところ、『地球』という大きな素材にたどり着いたのです。

地球上で共通に見られる自然現象を使って作品を作れば、言葉や文化を超えて感じ合えるのではないか。

自然現象が、地球上に住む人を同じフィールドに立たせてくれる共通語の役割を果たしてくれると考えたのです。

そして同時に、作品スタイルもインスタレーションから、より多くの人に解りやすく受け入れてもらえるように、体で感じてもらえる体験型の作品をはじめ、パフォーマンス作品、ビデオ作品へと表現の幅を広げたのです。
『摩擦熱』(フランス)/1997年
『遊ぶ』とは
目に見えない地球で起こる様々な自然現象を私たちが知覚できる存在に変える事で生活の中に潜んでいる大きな自然の原理や力を大胆にかつユーモラスに表現する木村崇人の世界。

彼のコンセプトの中で『遊ぶ』という行為は、作品の中で最も重要としているプロセスの一つでもあります。

作品の素材である『地球』を頭の中で知識として考えるのではなく、地球で起きている自然現象を実際に体験して肌で感じる事によって、その存在をより正確に身近に感じるためには『遊ぶ』のが一番だと考えているからです。

『遊ぶ』という行為には実験、観察、発見を繰り返す特徴があり、遊びを通して学習した事は、生きた知識として体に蓄積すると考えているのです。

木村本人の作品制作の過程においても、この実験、観察、発見が繰り返し行われます。
こうして、何度も作品を完成させるために繰り返し現象を体験することで、生きた情報を収集し、自分が想像した地球像と実在する地球とのズレを埋めようとしているのです。
石投げの遊び

投げた石が水面を何回跳ねて遠くまで飛ぶかを楽しむ遊びがある。
初めは何気なく拾った石を投げて石の跳ね具合を見る。次に投げるときに石を見る視点はすでに最初とは違い、どうしたらよりいっそう遠くまで飛ぶかを考えながら石を吟味して選ぶようになる。また、投げ方に対しても様々なフォームを試すことで、うまく投げるコツを考える。こうして何度も石投げを繰り返して上達する。

この『遊び』の中にも実験、観察、発見が繰り返されているのが分かるだろうか?
実験→石を投げる、観察→石の跳ね方を見る、発見→よりたくさん遠くまで石を飛ばすには、どんな石の形が良いのか、どのように投げたら良いのかを発見する。

この行為の繰り返しにより、実際に学習した知識は体と頭の双方の情報として記憶され、生きた知識となると木村は考える。
『地球と遊ぶ』ということ
作品の多くは、老若男女問わず現象に触れて自由に遊ぶ事ができます。
これは彼自身が作品を制作する過程に得られた知識について、私たちにも同じように、『地球と遊ぶ』ことで再発見、再認識してほしいと考えているからです。

今の私達現代人にとって重要なことは、繊細に変化し続けることで起きている自然の大きな変化を、情報として知るのではなく実在する地球という存在そのものとして、個人個人が体で感じて考えることなのではないかと木村は考えます。

日常の生活の中で忘れがちな地球の持つ自然の力の大きさ。

人はその自然のつくり出す現象の中に存在していることを『地球と遊ぶ』ことで再認識するきっかけになれば、このきっかけから個人レベルで地球に向き合う姿勢に何か小さくても変化が起きたなら、長い時間がかかっても
いずれ大きな社会全体の動きへと変わるかもしれないと木村は考えているのです。
『星のこもれびプロジェクト』 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟)/2006年
【木もれ陽 シリーズ】

【ピンホール シリーズ】

【ガリバー シリーズ】

【風見どり シリーズ】

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【その他の作品】

  

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